自転車お遍路:09日目「35番~36番」

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素敵な出会いがあった。

目次

今日の予定ルート

  • 土佐市を抜ける
  • 35番~36番を打つ
  • 宿泊地まで走る

実走したルート

起床

3時半に目が覚める。

もっと寝ようと思ったけど眠れなかった。ゆっくりと荷物の整理を始める。

朝ごパン。

なんだかんだ荷物整理をしていたら、いつも出発する時間になっている。

出発

ホテルを後にする。

本当に良いホテルだった。快適だった。ただひとつ不満があるとすればエレベーターがないことぐらい。部屋が3階だったので、荷物を階段で持ち運ぶのは結構大変だった…。

でもそれを帳消しにできるぐらい良いホテルでした。

最初に行くお寺はそれほど離れていない。10kmぐらいかな。

ぼちぼちな坂があるっぽいので、それが少し心配。

なので気持ち少し早めに出発した。5時半に出発。

←「にの」 「いの」→

出発しなきゃいけない時間までそわそわと待つよりは、早めに着いて待ったほうがマシ!

「土佐市」に入ったみたい。

ホテルのコインランドリーを利用したおかげで乾かさなきゃいけないものもなくなり、キャリアの荷物もスッキリした。

ほんと朝に見る田んぼは美しい。

三十五番は、あの山の中腹にあるみたい。

なんか雲がかかってるんですけど!霧かな…?

三十五番への道は、ルートが3本あるらしく

一番西側のルートが坂の勾配が緩そうなので、そこから上る。

「お寺への案内看板」は無視。

徐々に坂が始まるものの、確かにそこまでキツくない。

と思ったら急に坂がキツくなった!朝のたっぷり睡眠パワーで上っていく。

真ん中のルートとの合流地点みたい。

ここからお寺までもう少しだけど、そこまでの勾配もキツいんだろうなー…と思っていると

そんなこともなく

ちょくちょく平坦な道も出てくるぐらい優しい道でした。

キツいのは最初だけだった!

三十五番札所 清滝寺

無事に三十五番に到着。

6時40分ぐらいだった。納経受付時間まで20分あるけど、お参りはしちゃっててもいいんだよねー…?と思いつつ、自転車で荷物をガサゴソしていると、外国人さんが一人近づいてきた。「自転車お遍路ですか?」日本語がお上手だ。

「そうですー」と答える。

話を聞くと歩きお遍路さんだった。お遍路はもう4回目らしい!3回目のときに自転車でお遍路を周ったらしく自転車でお遍路をしている僕を見て、嬉しくなって声をかけたんだそうだ。

僕が乗っているTREKを見て「TREKは良いバイクだ」と言っていた。彼はゲイリーフィッシャーに乗っているそう。「僕の家にもゲイリーフィッシャーのマウンテンバイクがありますよ!」と話すと嬉しそうだった。

たぶん見た目的には50代ぐらいの白人男性。「良かったらコーヒーを作るから来ない?」と言われたので、時間もあるし頂くことに!写真に映っている小屋に行く。ここは通夜堂?らしく、お遍路さんが泊まれるところらしい。2日間ここに泊まっているそう。

普通にインスタントコーヒーを作ってくれるのかと思っていたら、インスタントコーヒーと缶コーヒーをブレンドし始めて心の中で笑ってしまった。「スペシャルブレンドだ」って笑いながら渡してくれた。味はまあまあだった。結局3杯も飲んだ。

椅子に座りふたりで1時間ぐらい色んなことを話した。名前はティムさんというらしい。初めて名前の交換をしたお遍路さんだ。

日本にも11年住んでいたことがあるらしく、いまは出身のカナダから来ているらしい。「時差ボケでふらふらだ」と笑っていた。医学系のジャーナリストをやっていて、日本では小学校の英語の教師なんかもしていたそう。

Instagramの交換なんかもしながら話をしていると、「2日間ここにいて飲み物はいっぱいあるけど、食べるものがないから何も食べてないんだ」というので、今日の補給食に持ち歩いていた「ミニアンパン5個入り」をあげた。凄く喜んでくれていた。外国人さんだしアンパンを食べられるのか不安だったけど「長いこと日本に住んでいたから大丈夫だ」と言っていた。

二人で話していると、地元の方が小屋に入ってきた。

英語ペラペラのおじいさまだった…英語でジョークを言ったりして、かっこよかった。英語だから何言ってるのかぜんぜん分からなかったけども!そして「これどうぞ」と僕達二人に小夏をくださった…!ありがたい…!ティムさんは「食べ物が増えた」と喜んでいた。

時間も随分経ったので、ティムさんと握手をしてお別れ。

ティムさんはもうしばらくここにいるそう。「できればもう一日ここに泊まりたい。住職に怒られるかもしれないけど」と笑っていた。

お寺からの景色を見ると、結構上ってきたんだなーと実感する。

無事に御朱印をゲット。

さあ、次のお寺に行くか。

自転車に戻ると、待ってくれていたのかティムさんが近づいてきた。

「お接待です」と言って小さな紙を渡してくれた。

「うわーありがとうございます…!」と言いながら中を開けてみると

紙に書かれたメッセージとともに、綺麗なカナダのコインが一枚入っていた。

「アンパンのお礼です」とティムさんは言っていた。めちゃくちゃ嬉しかった!一生大事にしますと感謝を伝える。

何度も握手をして、お互いのお遍路の無事を祈り合い、別れた。

まさかこんな素敵なお返しをいただけるとは思っていなかったので、凄く嬉しかった。

持っててよかったミニアンパン!

ということで次のお寺への途中にローソンがあったので、またミニアンパンを買っておく。

お腹が空いて困っている人がいたら、ミニアンパンを配ろう。

ローソンで女性外国人のお遍路さんに「ハーイ」と声をかけられた。

あれ…この方、昨日一緒に渡し船に乗っていたなーと思って、そのことを伝えようと「あー フェリー あー」と言っていると、こいつ船に乗る場所がわかんないのかなと思ったらしく、自分の地図を取り出して船着き場の場所を指差して教えてくれた。

違うかったけど何だか申し訳ないので「サンキュー!」とだけ伝える。

僕の自転車を見て、「ヨーロッパを自転車で走り回ったこと」とか「キャンプしてる時に夜は寒くないのか」とか喋りかけてくれてる言葉は分かるんだけど、英単語がうまく出てこない!もどかしさを感じながらも、あれこれ話をした後、「ぐっどらっく」「はぶ あ ぐっど とりっぷ」とだけ喋って別れた。

外国人お遍路さんはニコッと笑いかけてくれたけど、たぶん通じてないなあれは…。

今日はトンネルをいくつか抜けなくちゃいけない。こんな感じで歩道が狭いトンネルもあるので結構怖かった。

三十六番へは、あの大きな橋を越えなきゃいけないみたい。

路肩が狭いし車が来たら怖いなー…と思っていたけれど

交通量はそんなに多くなかったみたいで、なんとかなった。

ただ、橋の欄干が低いので、強い風が吹いたら自転車があおられて海に転落しそうで怖かった。

海沿いの道を走る。

地図で見る限りこの辺は山っぽくて勾配がキツいのかなーと思っていたけれど

ずっと平坦な道が続いている。

こういう海の景色を見ながら走るのは気持ちがいい。

ほとんど坂などなく、楽にお寺に着いた。

三十六番札所 青龍寺

三十六番に到着。

立派な山門だ。

坂はお寺の中にあったようだ…凄い階段…。

でも雰囲気が素晴らしい。

ゼーハーゼーハーしながら階段を登った先に、本堂があった。

階段の上からの風景。

僕の好きな高い木のあるお寺だ。

無事に御朱印もゲット。

ここで自分の自転車に戻ると、キャリアにカバンを積んだ自転車が隣に停まっていた。これはもしや自転車お遍路さんでは!

そういえばさっき境内に自転車乗りっぽい格好をした方がいたなーと思い、ちょっと話しかけてみようとベンチに座って待っていた。

しばらくしてそれっぽい方が来たので声をかけてみたら、やっぱり自転車お遍路さんだった。たぶん自分よりも若い20代ぐらいの自転車お遍路さん。しかも同じ一巡目だ!ただ…自分よりもめちゃくちゃ速いスピードでお遍路を周っていた…!室戸岬付近でなんと一日に170km走ってめちゃくちゃ疲れたと仰っていた。そりゃ疲れるわ…!

「どうやったらもっと速く走れるんですかね…」と聞かれたけど、「十分速すぎるじゃないですか…!」と言っておいた。予定では20日で周れそうらしい。その日いっぱい走って夕方になったらその日の宿を決めるスタイルで周っていると言っていた。12番の焼山寺で一度野宿をしようとしたけれど、ネットで見たら焼山寺の写真にオーブが写っていて怖くて野宿はやめようと決めたらしい。かわいい…。

聞くと、膝やアキレス腱が痛くなるらしく、僕も膝の痛みを抱えながら走っているので、やっぱり自転車でこれだけ走っているとみんな一緒なんだなーとなんだか安心した。「お互い怪我には気をつけましょうね」と旅の無事を祈り、お別れする。

これでもう彼と会うことはないだろう…だって僕よりめちゃくちゃ速いんだもの…。

さっきの橋をまた渡り

あとはダラダラと走るだけだ。

僕は僕のペースで走る。

それでいいんだと思う。

この間のトマトの無人販売所に味をしめ、野菜の安い無人販売があったら買いたいなーと思っているんだけど、ここらへんは小夏しかない。

ほんとにトンネルが多い。

車一台しか通れないようなトンネルもあるので、緊張する。

ふと、田んぼのどまんなかに「でっかい工場」が出てきてビックリ。

田んぼと工場の対比がおもしろすぎる…。

須崎市

ここは「須崎市」というらしい。

地図で見ると結構大きそうな街だなーと思っていたら、やっぱり栄えていた!

そしてなんと…「ガスト」を見つける!

もう長いこと大手食べ物チェーンのお店を見ていなかったので、見つけた時は興奮してしまった…ここでお昼を食べる!

ガストといえば「山盛りポテトフライ」

これだけ頼んで、スープもおかわり自由で800円ぐらいだ。凄すぎるガスト。

久しぶりに食べるジャンクな味の食べ物は美味しかった。

お遍路中に初めて満腹になった気がする。

三十六番からの道は、峠を越えたり降りたり、小さな町を抜けたり、平坦な道をだらだら走ったり、その繰り返し。

景色のいいところにもでる。

坂はしんどいところもあるけれど、それほど長い距離が続くわけでもないので、なんとかなっている。

ただ、トンネルが怖い。

トンネルに入っている間は涼しくて気持ちいいんだけど、常に後ろからの車に緊張しつつ、真っ直ぐに走り続けることを意識しなきゃいけない。

そして、あとは祈る。

後ろから走ってくる車が自転車を引っ掛けませんように…と。

テールライトを2個付けて、反射材が着いたリュックを背負って、後続へのアピールをできるだけしているんだから、あとは祈るしかないのだ。

宿泊予定のキャンプ場の近くまで来たのでスーパーに立ち寄る。小さいスーパーなんだろうなーと思っていたら、普通に大きなマルナカだったのでビックリ。買い物が捗った。

小鎌田の浜

そして、今日の宿泊地。

無料キャンプ場の「小鎌田の浜」に到着。

景色が綺麗。

砂浜か砂利のキャンプ場かと思ってたんですが、芝生がある。

飲める水場もあって、奥にトイレもある。

パノラマで見るとこんな感じの風景が広がっている。

この木の下にテントを張ろうっと。

今日頑張ったご褒美を食べつつ、海を眺めて休憩。

遠くに双子の岩?が見える。

水だけどシャワーもあり

トイレも無料キャンプ場にしては綺麗めだった!

テントの設営も完了。

空には月が昇っている。

どうやら今晩はこのキャンプ場に僕ひとりだけみたい。

晩ご飯はお寿司!

おしまい

今日はこんな感じでした。

昨日はこれからも良い出会いがあるのだろうか…なんて思いながら終わりましたが、今日も素敵な出会いがたくさんありました。

特にティムさんに頂いたカナダのコインは本当に嬉しかった。 この旅の思い出だけではなく、たぶん一生の思い出になるんじゃないかなーと思います。

良いことをすると素敵なことが返ってくる。見返りなんて求めてやったことじゃないけれど、気持ちを受け取って、それに対して感謝をしてくれた。そういう単純なことが凄く嬉しかった日でした。

明日も良いことがあるといいな。

使ったお金

  • 納経料:600円
  • 食費:2,459円
  • 【合計】3,059円

次の日

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