今日はお遍路の中でも、予定している最長距離を走ります。
今日の予定ルート
- ひたすら室戸岬まで走る
- 宿泊地に到着
- 荷物をおいて24番を打ちに行く
実走したルート
起床
めちゃくちゃよく眠れた。
5時に起床。
登ってくる方角が山側だからか、まだ太陽は見えない。
すごく静かで良いキャンプ場だった。
海沿いだから、虫もぜんぜん居なかったので快適。
ただ芝生キャンプ場の宿命…朝露がやばい!
とりあえず、お湯を沸かしてコーヒーとパンを食べる。
だらだらと撤収準備をしていたら7時になっていた。
昨日、長話をしたおっちゃんも起きて撤収作業をしていたので「それではお先に出発します!」と声をかけた。おっちゃんは「それじゃあまた!次は、中国か台湾か、海外でやな」と笑いながら言う、僕も「ほな、またどこかで!」と挨拶し別れた。
またどこかでって言葉は良いなーと思った。昨日のバイクのお遍路さんにも別れ際にそう伝えれば良かったかもしれない。
出発
昨日も通った「二十三番に向かう道」を走っていると、太陽が見えた。
お昼ぐらいから今日も暑くなるんだろうなー…
恋人岬。
ふーん。
昨日打った二十三番を遠目に見ながら
いざ室戸岬へ。
「室戸まで81km」という標識が目に入る…。
峠道の予感。
少し上り始めて
10%の勾配が始まった。
昨日痛みだした左足が心配だったけど、少し違和感は残るものの痛みは出てない。
少し休んだから落ち着いてくれたのかな。
ここの道は景色が素晴らしかった。
高所恐怖症気味の僕には、ちょっと怖い…。
なんて眺めだ。
なんなんだいったい…!
海沿いの景色は、やっぱり楽しい。
はるか遠くに霞んで見える、あれが室戸岬なんだろうか…。
島が見える。
この道は景色もいいし道路も広いし車が殆ど通らなかったので、かなり走りやすくて気持ちの良い道だった。
道路に猿が4匹ぐらい居て驚く。
慌てて山の中に入っていったから写真には写せなかった。実は昨日も野生の猿を見たんだけど、野生の猿を普段目にすることがないから、ふいに見かけると怖い!
木の上から自転車に飛びかかって来ませんように…。
気持ちの良い道を抜けると、街が見えてきた。
「駅のある街」は都会。
すぐに街も抜けて、ふたたび山の中へ入る。
今日はこんな感じの繰り返しなんだろうなー
そこかしこに砂浜がある。
また次の街に入ったみたい。
ちょっと写真がわかりにくすぎるけど「ほっかほっか亭」があった。名前が「ほっともっと」じゃない店舗を久しぶりに見た。
そして「どさんこラーメン」!
なんとなく昭和の香りがする街だった。
歩きお遍路さんの道標。
23番から24番までの歩きお遍路は本当に大変なんだろうなー…
これは…おおらかそうな街だからこそ許される名前なのかもしれない。
地図で見ると、対岸に見えるのは大きな島みたい。
海の水がめちゃんこ綺麗。
景色を楽しみながら走る。
道の駅 宍喰温泉
そして道の駅「宍喰温泉」に到着。
時刻は10時ぐらい。室戸岬までやっと半分ぐらいなのかなー…
ちょっと早いものの、ここでお昼ごはんを食べておかないとお店が無いかもしれない…と食べる予定で立ち寄ったんだけど、食事は11時からだった…!
ご飯の食べられない道の駅なんて…。
どうしようかと思ったけど、隣の「おみやげ屋さん」みたいなところで、お弁当を売っていたので購入。
助かったー…美味しかったです。
朝露で濡れた「テントのフライシート」をゴミ袋に入れてたんだけど、キャリアに積んでたら何とか乾かないかなーと思い、このスタイルで走ってみることにする。
ちなみにタオル類を朝からこんな感じでキャリアに積んでたら、乾いてくれていた。
それじゃあ、もう半分頑張ろう…。
走っていると「高知県」のようこそ看板が!
ということは、ついに徳島県を抜けて高知県に入ったということ!
これで完全に「徳島県のお遍路」は終わったことになる。
なんというか徳島県のお遍路を達成したんだ!という嬉しさよりも
もう徳島県のお遍路が終わってしまったのか…という
寂しさのほうが強かった。
そう思えるってことは、それだけこの旅が楽しいと感じられていることなのかもしれない。楽しいのはいいことだ。
遠くに霞んで見えていた「室戸岬」っぽいものが、段々とハッキリしてきているのが分かる。
東映かな?
それにしてもやっぱり…
室戸岬までは遠い。
海を眺めていると
水平線の向こうに何の山陰も見えないのが、凄く不思議に感じる。
僕の地元だと、海を見ても必ずなにかしらの山陰が見えるからなのかもしれない。
ここは四国。これが太平洋なんだなーと改めて思う。
振り返ってみると、たぶん徳島だと思われる山陰が微かに見えた。
あそこらへんから今日は走って来たんだろうか…。
結構疲れは出てきているけれど
ひたすら進む。
大きな岩が気になって近づいてみたら「夫婦岩」というらしい。
なんだかどこにでも夫婦岩ってあるな…。
あそこが室戸岬なのかな…?
そうであってくれ…と願いながら走る。
この道を走っていると「歩きお遍路さん」をちらほら見かける。
この距離をずーっと歩いてるんだよなー…と思うと、本当に凄すぎる。
歩きお遍路さんを見かけるたびに尊敬の念を抱きつつ「こんにちは!」と挨拶をして通り過ぎる。
最初は「お疲れさまです!」と声をかけて通りすぎていたんだけど、自転車で追い抜きざまにそれは何だか失礼かもなー…と挨拶に変えた。
それにしても高知県に入ってから、凄く蒸し暑い気がする。
遠くに陽炎まで見えるんだけれども…。
蒸し暑くて完全に夏だ…。
室戸岬まで目と鼻の先なんだけど
「足湯無料」そんな看板を見たら入るしかない。
誰も居ない!
足湯がこんなに気持ちの良いものだとは思わなかった…。
時刻は14時。このすぐ近くに今日泊まる宿を予約したんだけど、チェックインが15時。
予定より早く着いてしまいそう。
山の中に大きな「弘法大師様の像」が立っていた。
そういえば、室戸は弘法大師様の出生の地なんだっけ?
室戸岬
そんなこんなで、なんとか室戸岬に到着!
さすがに疲れた…遠かった…。
今日泊まる予定の宿に到着。
「岬観光ホテル」さん。
15時チェックインを承知の上で、受付の方に荷物だけ預かっていただけないか聞いてみたところ、快くOKしてくだった。
ありがたい…。
重い荷物を置いて
ここからすぐ近くの二十四番を打ちに行く。
今日はそのお寺を打つだけで、おしまい!
なんとかだぜよの人だ。
「室戸岬っぽい風景」を探すけれど、それっぽいのが見当たらない。
二十四番への車道の入り口を見て、愕然とする…。
なにあの高いところにある道路…あそこまで上らなきゃいけないの…?
ここもネットの情報でキツいとは聞いていたけど
日差しが相当強いのもあって辛い…!
勾配に関しては10%がずーっと続く感じです。距離はそんなにないんだけど、長距離を走った後だったからか軽い熱中症になりかけみたいな状態になりました。
なんとか入り口に到着する。
息切れが止まらないし汗も止まらない…やばい…どうか自動販売機よあってくれ…と思いながら進む。
二十四番札所 最御崎寺
ふと、山門の「弘法大師様の像」が目に入ると、あれだけしんどかった熱中症の症状がピタッと収まる。
弘法大師様のお力なのかな…。
僕は信心深いわけでもないんだけど、やっぱりお遍路をしていると自然とそういう考えになってくるのかもしれない。
御朱印をいただく。
境内にはコカコーラ印のベンチがいっぱいあるのに、自動販売機は一台もなかった…。
帰り道に看板を見ると、近くに灯台があるらしい。
せっかくだから見に行ってみる。
室戸岬灯台
灯台はこんな感じだった。
横の看板に「恋人の聖地」と書いている。ふーん。
灯台は眺めるだけで、入ることはできないみたい。
高いから眺めはいい。
隣りにいたおじいさまが「なんや、ここも恋人の聖地なんか。恋人の聖地だらけやな」って話してて笑った。
帰りは下り坂で気持ちよさそう。
上から見たらこんな感じ。そりゃこんな坂を上ってきたらしんどいわ!
ちなみに、もともと泊まる予定だったのが「二十四番の宿坊」でした。
昨日電話を掛けたら予約いっぱいで取れなかったので、急遽さっきのホテルを予約したんですけど、もしそのまま宿坊に泊まる予定だったら、ここまで荷物満載のまま上らなきゃいけなかったので、本当に予約いっぱいでよかったと心の底から思った…。
坂を下って、自分へのご褒美にコーラを買う。
宿に到着
岬観光ホテルさんは、昭和9年に建てられた建物らしく
国の「登録有形文化財」にも最近指定されたらしい。
なかなかレトロな雰囲気で素敵だ!
お部屋に入ってみると
広い!きれい!
眺めもいい。
なんの不満もない!むしろこんな所に泊まらせてもらっていいの…!という感じだった。
充電祭りを開催する。
持ってきていた「折りたたみバケツ」で洗濯もしたんだけど、やっぱり手洗いは面倒くさかった!
都会に出るまで待ってコインランドリーでいいな…と思った。
お風呂に入ってさっぱり。
これまではシャワーばかりだった。旅中で初めてのお風呂だったけど、お風呂ってこんなに癒やされるものだったんだなーと気付かされました。すごく気持ち良かった。
晩ごはんを食べに外に出る。
さっきの「足湯があった施設」にレストランがあるということで来てみたんだけど、なんとレストランは17時で終了…!
晩ごはんやってないとかあるんだなー…
もう一軒だけ近くに食べられるところがあったので、そちらに行ってみる。
ホテルの横にあるレストランみたい。
せっかく海の近くなんだからと「キンメダイの照り焼き丼」を頼む。
めちゃくちゃおいしかった。
帰りに再び「弘法大師様の像」を眺める。
明日も無事に予定通り終わりますように。
帰り道は、もう夕暮れに近かった。
ここらへんは観光スポットもたくさんあるみたいなんだけど、いかんせん先を急ぐ旅なので、それらを見る余裕が無いのが残念。
なにより疲れがやばい!
おしまい
そんなこんなで、無事に「室戸岬」まで来ることができました。
お遍路中で一番長距離を走る日だったので、無事にここを走りきれてよかったです。ただ油断はできない!距離は短くても、山を上らなきゃいけないところも沢山あるわけで…。
特に明日はボチボチな距離を走らなきゃいけないうえに、山の上にあるお寺が2つあるので不安です。
無事に乗り切れるといいなー…
使ったお金
- 納経料:300円
- 食費:1,936円
- 宿泊費:6,480円
- 【合計】8,716円