自転車お遍路:05日目「20番~23番」

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旅に必要なものが分かった日。

目次

今日の予定ルート

  • 20番鶴林寺まで走る
  • ロープーウェイに乗る
  • 21~22番を打つ
  • 恵比須浜キャンプ村に到着
  • 余裕があったら23番を打つ

実走したルート

起床

2時頃に目が覚める。

パリピご家族の寝息が聞こえる…テント同士が近いからだ。このままじゃ明け方にテントの撤収作業がしにくい!なので、静かに静かにテントの移動をすることにした。

できる限り静かにテント内の荷物を遠くの場所まで移動。最後にペグを抜いてテントをそのまま移動させてきた。

もうパリピご家族の寝息も聞こえない距離。これなら明け方に撤収作業をしても、音で迷惑をかけてしまうことはないだろう。

お湯を沸かしてインスタントコーヒーを作った。

コーヒーって飲むとなんでこんなに落ち着くんだろうか。

今日の朝ごはん。

明け方。5時前ぐらい。

そろそろ撤収作業を開始する。

5月は日の出が早くて、ほんとによかった。

撤収作業をしていると声をかけられる。昨夜ちらっとだけ顔を合わせた「バイクで日本一周をされている方」だった。福岡からバイクで出発し今日で12日目とのこと。

日本一周はすごい!素直に尊敬する。

「12日目だけどしんどくもあって、もうやめたろかなって思うこともある」と彼は言っていた。

5時20分ぐらい。無事に撤収作業が終了。

なんだかんだで時間がかかってしまった。

昨日モバイルバッテリーのひとつが電池切れになったので、今日は「ソーラーパネル」の力に期待。

入口前にバイクが2台停まっている。

一台はさっきの「日本一周をしている方」、もう一台は昨日お話した「バイクでお遍路をされている方」のっぽい。

出発

そんなこんなで「前川キャンプ場」を出発。

本当に良いキャンプ場だった。

無料キャンプ場とは思えない素晴らしさだった!

朝日に照らされる街なかを走り抜け

昨日のリベンジを開始する。

看板によると、二十番へは「車道で5km」「歩き遍路道なら3km」らしい。

ここの歩き遍路道はどんな感じなんだろう。車道より楽なのかなー…

昨日は日差しがキツすぎて、それだけで体力がスリップダメージのように奪われていたけれど、早朝なら坂のしんどさだけ。

でもやっぱりこの坂はキツい…!

道路は、こんな感じで荒れているところも多い。

自転車を降りて押さないと、倒れるなこれ…!という坂。

そして昨日引き返したところまで、なんとか来られた。

ここからは未知の領域。

本当にキツい…。

確実に12番の焼山寺までの道よりもキツい…。

看板がないから分からないけど、たぶん勾配がとんでもないところがあるんだろうなー…

なんとかキツさのピークみたいな坂は乗り越えられたみたいで、少し道が平坦になる。

これだけで天国のように思えた。

そして、20番と21番の分かれ道に到着。

20番へは…あと2km…!

ここからの道は「鶴峠」というみたい。

最初はさっきの坂道の方がしんどかったなーと思っていたけれど、そんなことはぜんぜんない…!

ここからも同じぐらいキツい…。

道の途中にベンチがあって、喜んで自転車から飛び降りて座る。

ここにベンチを置いてくれた人は神…!!

僕は普段、自転車で坂を上るときは写真を撮るとき以外に殆ど足をつかない。休憩もしない。

でも麓からここまでの坂は、自転車を降りて押して行かないと厳しいところが3箇所、休憩も2〜3回はしないと無理だった。

普段、上り坂もただ単純に左側を走るんですけど、「左カーブの時は傾斜のゆるい右側を走って、そこから左に抜ける」とか、なんとか少しでも楽に上れる方法のすべてを使わなきゃ、この坂を上るのは本当に無理だった。

二十番札所 鶴林寺

そして、やっとの思いで20番の山門に到着…!

こんなしんどい5kmは初めてだった…!

この山門が見えたときは本当に嬉しかった。

境内の中も素敵。

ここにも大きな木がたくさんある。

ご本堂。

ご本堂の横に「三重塔?」があった。

そして、無事に御朱印もいただけた!

納経の係の方に「今日はお釈迦様のお誕生日だから甘茶をどうぞ」と勧められる。飲んでみたら凄く甘いお茶だった。疲れた体に甘さが染み渡る!

「自転車で回ってるの?」と聞かれたので、そのとおりだと答えたら、次の21番への行き方について丁寧にいろいろと教えてくださった。

係の人のおすすめのコースは、「ロープーウェイには乗らず、その横の橋をしばらく自転車で進み、そこから徒歩お遍路で往復したほうがいい」とのこと。というのも「ロープーウェイを片道使っても、下りの道が荒れていて4kmほど自転車を押していかなければならないから」ということみたい。

感謝の言葉を述べて、立ち去る。

でもやっぱり僕はロープーウェイを使います…!

上りが辛かった分、帰りは天国。

一瞬でさっきの分岐まで帰ってきた。

ここからも下りだー!

ここの下り道が凄く気持ちよかった。

道も荒れていないし走りやすい。

ここからは、しばらく川の横を走る。

もうなんというか

景色が素晴らしすぎて

「なんなんだいったい…」って言葉しか出てこなかった。

なんなんだいったい、この素晴らしすぎる自然は…。

ロープーウェイ

そんなこんなで、21番の麓の「ロープーウェイ乗り場」に到着。

予定通りロープーウェイを使う。

建物のなかは結構広かった。

このまま自転車で入っていいみたい。

お遍路用品の売店なんかもある。

ロープーウェイの受付の方に自転車お遍路だと伝えると、境内の地図とともに「分かりやすく駐輪する場所」や「ルート」を教えてもらえた。

ありがたい…。

お遍路洋品店の中で売っていた遍路Tシャツ。

こんなのもあるのかー

時間が来たので、ロープーウェイに乗り込む。

110人が乗れるらしい。でかい。

発車すると結構スピードが早い…!

いい眺め。

隣にご高齢のお遍路さんご夫婦がいらっしゃったんだけど、お二人共高いところが苦手だということで、椅子にすわることもできず床に座っていた。

その気持ちがめちゃくちゃ分かるほどに、結構怖い…!

旦那さんのほうが気を紛らわせたいのか、僕にずっと話しかけてきてくださる。

高ぇ!高ぇよ…!

支柱?を通りますので揺れまーす、というガイドさんの案内。

確かにめっちゃ揺れた。遊園地のアトラクションぽかった。

そんな支柱もあっという間に小さくなる。

そりゃこんな距離こんな高さのお寺まで自転車で行こうとしたら、めちゃんこしんどいよなー…

ロープーウェイで来てよかった。

「ロープーウェイ下り口」の隣に売店があり、そこに自転車を置いていく。

二十一番札所 太龍寺

さすが「西の高野山」と呼ばれるだけあって、お寺が素晴らしかった。

何もかもが今までのお寺よりも大きい。

そして立派。

こちらは、ご本堂。

太子堂も素晴らしい。

まさに、霊験あらたかといった感じ。

御朱印も無事にいただく。

真ん中に見える「あの岩の上」で弘法大師さまは修行をされていたらしい。

ということで、自転車を押し歩きながら境内を抜ける。

「仁王門」を目指すのだ。

無事に到着。

ここから下っていくわけだけど

ネットで事前に調べていた通り、路面はめちゃくちゃ荒れている。

ずっとこんな感じだし、カーブの先は崖なので

自転車に乗りながら降りるのは、とてもじゃないけど無理!

マウンテンバイクなら行けるかもしれないけど…。

20kgの荷物を載せた自転車じゃ無理だ。

少し平坦なところに出て、ホッとする。

ここからは少しだけ道がマシになるんだけれど

やっぱりこういうデコボコ道は出てくる。

なんとか普通の道路にまで出られた…。

慎重に慎重に降りてきたから、疲れたー!

ひたすら進む。

道の駅わじき

道の駅が合ったので立ち寄る。

大体10時ぐらいだったけど、もうお昼を食べてしまう。この辺りはコンビニどころかお店がどこにも見当たらない!

カレーは手軽に高カロリーを取れてありがたい。

500円。安い!

昼も近くなり、今日もまた日差しが強くなってきた。

トンネルを抜けたりしながら

ひたすら22番を目指す。

二十二番札所 平等寺

二十二番に到着!

雰囲気なのか何なのか、なんとなーく徳島市内の一番から十番のお寺の雰囲気に似ているような気がして、なんだか懐かしい気持ちになった。

カラフルなお寺。

御朱印をゲット。

納経所の方に「1時間半ぐらい時間ない?」と聞かれる。なんだろうと思ったら、毎週第2日曜日は12時からお昼ごはんのお接待をしているとのこと。お誘いはめちゃくちゃありがたかったんだけど、今日予定している宿泊地がここから結構遠いため「先を急がなきゃいけないので…!」とお断りした。

30分ぐらいだったら待ったんだけどなー…

と自転車に乗る準備をしていると「追いつきましたー」と声をかけられる。なんと前川キャンプ場で出会ったバイクお遍路さんだった。「おおお!」と嬉しくなった!お話を聞くと今日はこのあと室戸岬まで行くとのこと。僕が室戸岬まで行くのは明後日の予定なので「じゃあ先に行ってしまうんですねー…」と話をし、別れた。

これでたぶんもうバイクお遍路さんと再び出会うことはないんだろうなーと思うと、なんだか悲しくなった。

でも同じように僕が自転車で歩きお遍路さんを抜くと、たぶんもうその歩きお遍路さんとは再び出会うこともない。いろんな人がいろんなタイミングで旅をしているわけで、そのタイミングの中で奇跡的に出会えたのが今回の旅で出会った人達なんだろうと、そんなことを考える。

田んぼ道を越え

山道を越え

トンネルを抜ける。

ここらへんにきて左足の膝が痛くなる…坂道を上るのが辛い。

膝の内側が痛いので、心配していた腸脛靭帯炎ではないっぽい。触ってみると筋肉痛っぽい痛みだから、疲れから来てるんじゃないかなーと思う。

遍路小屋で少し休ませてもらうことに。

実は昨日辺りから

左膝に違和感は出始めていたんですが、今日の20番の坂のキツさで

ついに違和感が痛みに変わっちゃったのかなー…

「カニに注意」看板。初めて見た。

まあでも、腸脛靭帯炎みたいに電気が走るような痛みが出るわけじゃないので

走れることは走れる。

柵のない線路。怖い。

そして、ここで海が見えた!

海を見るのは旅の初日以来だったので、凄く嬉しかったです。

港町だ。

海の景色もすばらしい。

ここからは、小さな山道に入っていく。

ずっと坂道ではあるのですが

かなりゆるーいゆるーい傾斜なので、痛めた膝でも問題なく走っていける。

なんだかんだ、結構な高さまで上ってきていたみたい。

道路脇にお遍路に因んだ俳句が並んでいる。

高い木の間をすり抜け

恵比須浜キャンプ場

今日の宿泊予定地の「恵比須浜キャンプ場」に到着!

途中、高速道路っぽいところを降りて下道を走ってきたんだけど、もしかしたらそのまま高速道路っぽいところを走っていた方がここまで距離が短くすんだかも…?

まあ着けたからいいか。景色も綺麗だったし。

綺麗な海が目の前!

テントサイトはあっちかな?

「今日来ると電話くれた方 すきな所を御利用ください 管理者」

これは僕のことだろうか…?

さくっとテントを設営。

身軽になったので、このまま明日回る予定の「23番」を打ちに行っちゃおうと準備。23番まではここから大体6km。

と、ここでちょうどキャンプ場に到着したおじさまに「今日僕も泊まるんですわ。どうぞよろしくー」と声をかけられる。60歳を超えていらっしゃる大阪住まいの方だった。

このおじさま、自転車は5台ぐらい持っていて、日本だけじゃなく台湾や中国なんかも走ったりしてる凄い方だった。台湾のことや、日本だと「しまなみ海道」のこととか、めちゃくちゃ興味深い話ばかり聞かせてくださるので、ついつい話が盛り上がり、気がついたら1時間半も話し込んでいた…。

「次のお寺を打ってきます!」とお伝えし、急いで23番に向かう。

23番までは海沿いを進む。

二十三番札所 薬王寺

やっぱりそれほど遠くなかった。

二十三番に到着。

立派なお寺だった。

実はこの「薬王寺」が徳島県のお遍路で最後のお寺。

次はもう「高知県」に入る。

御朱印をいただく。

これで徳島県のお遍路のお寺をすべて巡れた!

ここからキャンプ場に戻るわけだけど、なんだか急に凄い疲れた…。

エネルギー切れだ。コンビニで今晩のご飯とともに、急速充電できるものを買って食べる。

頑張って戻ろう…と、ヘロヘロになりながらキャンプ場まで戻ってきた。

戻ってきたらおじさまと誰かが話をしていた。このキャンプ場の管理人さんらしい。お年はなんと88歳…!テントの利用料を徴収しに来ていたらしく「管理人さんも歳やから、また来てもらうのもあれやし立て替えておいたで」と僕の分の利用料も立て替えてくださってたぽい!お礼を言って立て替えて貰った分を払う。

再び少しお話をする。おじさまの知り合いがお遍路をしていたときに「恵比須浜から室戸岬までの道が、お遍路の中でも一番自転車で走っててよかった」と言っていたらしい。これから走るので楽しみだ。

もう少し話をしたかったけど、疲れが限界だったので自分のテントに戻る。あまりの疲れに、そのまま倒れこんで寝てしまった。

1時間後に目を覚ます。

ここのキャンプ場には「コインシャワー」があるということで使わせてもらう。よく考えたら3日ぶりのシャワーだ…めちゃくちゃ気持ちよかった。

夕方の海も綺麗。

シャワーから戻るときに、おじさまから「お湯沸かしてるけど、インスタントラーメン食べるか?」と声をかけていただける。「お弁当買ってきちゃったので…!」と丁重にお断り。ありがたや~…

テントに戻り、明日宿泊予定の宿坊に予約電話を掛けてみるものの、なんと満室でお断り…!宿坊って人気なんだなー…と思いながら、別の宿泊施設を調べて電話を掛けなんとか予約を取ることができた。

よかった…。

今日の晩ごはん!コンビニ弁当ばんざい!

おしまい

そんなこんなで、ついに徳島県のお遍路のお寺を回り切ることができました。

もう徳島県が終わってしまったんだー…という寂しさをなんとなく感じます。旅を初めて6日目ですが、空気の澄んだ徳島県を自転車で走っていると楽しくて楽しくて、このまま旅が終わらずにずっと続けばいいのになーって毎朝思います。

ただ今日の終盤、23番からキャンプ場に戻るときに考えていたんですが、とにかく疲れが溜まってきている!毎日疲労の限界まで走ってしまっている感じなので、とにかく疲れきっちゃって、一度テントで眠らないと何もできなくなってしまうんですよねー…

旅に大事なものって「余裕」なんじゃないかなーって今日は思いました。

なんだかんだで、ここ数日余裕のない旅になってきてしまっているような気がする。余裕がないと景色を楽しむ余裕も、写真を撮る余裕も、人と会話をする余裕もなくなってしまう。

一応、無理のない余裕のあるスケジュールを組んできたつもりなんですが、思い通りにいかないトラブルも結構多くて、どこかで一日ぐらい動かずに休む、休息日なんかを設けたほうがいいのかなーと思いました。

休もうにも、明日は室戸岬まで80kmほど走らなきゃいけない日なので、余計に色々と考えちゃいました。自転車のトラブルや、膝のトラブルがなければなー…

使ったお金

  • 納経料:1,200円
  • 食費:1,995円
  • 宿泊費:600円
  • 入浴費:100円(コインシャワー)
  • 交通費:1,300円
  • お遍路用品費:500円
  • 【合計】5,695円

次の日

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