お遍路最初の難所に挑戦!
今日の予定ルート
- 県道20号線と県道43号線を走り12番焼山寺へ
- 徳島市内を目指し13番~17番を打つ
- 宿泊地まで走る
実走したルート
起床
夜中の1時半に目が覚めてしまう。
なんか外から工事現場のドリルみたいな音がずっとしてました…めっちゃでかい音!急いで耳栓をしたんですが何だか目が冴えてしまった。仕方がないから起き続けるかー…と思ったんですが、さすがに眠くて3時ぐらいにまた眠っちゃいました。
4時半に起床。
出発
泊まらせていただいた三笠屋旅館さんをあとに…と思っていたら、旅館のご主人が外に出てきて「ちょっとこっちに」と言われるので食堂のほうに行くと、昨日お話しされていた「21番の奥の院の写真が載っている小冊子」をくださった。ありがたい…。
「気を付けてね」とお見送りまでしていただけました。ほんとうに良いご主人、良いお宿だった!
共同トイレの鍵は壊れていたけど、そんなことはどうでもいい。
5時20分ぐらい。
ちょうど朝日が見え始めて、田んぼと太陽がすごくいい感じでした。
空気も澄んでいて、気持ちがいい。
国道は結構交通量が多いっぽいので、早朝に出発してよかったかもなーと思いつつ
十二番の焼山寺を目指す。
このお寺がお遍路最初の難所と呼ばれているところです。別名「遍路ころがし」
自転車だとできるだけ坂の緩いルートで行くならば、大体35kmぐらい走らなきゃいけない!
トンネルがありそうだったので、予備で持ってきていたリアライトをリュックに付ける。
これでキャリアに付けた「キャットアイの自動点灯リアライト」と二段構え。
峠越えを前にして、緩い坂が始まる。
やっぱりあったな…トンネル。
早朝でも交通量が多くて怖かったです。
トンネル内も歩道は一応あるのですが、人がギリギリ通れるくらい。自転車だとキツい!パニアバッグ積みなので歩道は諦めて車道を走りました。
まあ短いトンネルだったので何とかなった。
トンネルを抜けると下り坂。
いい眺め。いい太陽。
川がめちゃくちゃ澄んでいました。
ほんとに景色が綺麗なんですよねー…
心が洗われる風景っていうのは
こういう景色のことを言うのかもしれない。
ときどき遠くから「パッキャーン」って大きな音がするから、車がパンクしてるのかなーと思っていたんですが、よく考えたら多分猟銃ですね…!
生の猟銃の音とか初めて聞いたよ…。
途中、歩きお遍路さんとすれ違う。
歩きお遍路さん本当にかっこいい。尊敬する。
ヒッ…。
なんなの…!
こんなところにも!
「住民がお遍路の人形に変えられてしまった街」だったんだろうか…。
それにしても、早朝にこの道を走ることにしてよかったです。
空気も澄んでいて、ひんやりしていて、走っていて本当に気持ちいい。
「焼山寺」の看板はちょくちょくあるものの
スマホでルートを見ると、まだ先なのだ。
「同行二人の遍路笠 持ってはなるまい 差別の心」
良いこと言うなー
僕は遍路笠持ってないけど!
そんなこんなで、焼山寺のふもとの「おへんろ駅」に到着。予定ではここらへんに自転車に積んでいる荷物を置かせてもらって、身軽になってから自転車で坂を上ろうと思っていたのですが…早朝だからか誰一人いない!
この駐車場も有料駐車場ですし、勝手に荷物を置くわけにもいかず…結構悩んだんですが
20kgの荷物を積んだまま焼山寺までの坂を上ることに…。
初っ端からキツい…。
でも自転車を降りて写真を撮る余裕はまだある。
スマホの地図を見ても、まだ焼山寺の文字は見えず…。
焼山寺までの距離看板…心が折れるから本当にやめて!
お遍路最初の難所である焼山寺ですが、歩きお遍路さんだけじゃなく自転車お遍路にとっても間違いなく最初の難所です。
さっきの「おへんろ駅」から焼山寺までは5kmしかないのですが、その5kmで一気に標高700m近くまで上るわけですから…。
おへんろ駅自体の標高は忘れちゃったけども!
僕は去年、自転車お遍路のことを具体的に考え始めたとき、この最初の難所である焼山寺を上れるようになろうと坂の練習を始めました。
そしてなんとか六甲山を毎週上れるぐらいにはなったわけですが
すべては今日この日のため!
だからなんとしても上りきらなきゃ、何だか地元の六甲山に申し訳が立たないというか
いままで積み重ねてきた自分の経験が何だったのか、分からなくなってしまいそうな気がしたので
ひたすら頑張って上り続けました。
そしてついに焼山寺が地図で見えてきた…!
「頑張って」と書いちゃいましたが、坂を上るときは頑張らない。
ちょくちょく自分の好きな歌を口ずさむ(歌が歌えるなら無酸素運動になってない)。しんどくなってきたらペダルをゆっくり漕ぎながら深呼吸をして上りながらも休む。
そんな坂の上り方を教えてくれたのも、六甲山。
六甲山のためにも、絶対に上りきる!
ひたすらペダルを漕ぐんですが本当にしんどい。
ぶっちゃけると坂自体は自転車に乗っていられないほどの勾配でもないので、六甲山を普段から上っているなら問題なく走れるような坂なんですが
なんせ20kgの荷物を積んでここを上るのは…本当に辛すぎた!
両方のパニアバッグだけでも外せば10kgは軽くなるので、それだけ軽くなったら随分楽になるんだろうなー…なんで下の駐車場に置いてこなかったんだ…。
でも焼山寺まで…本当にあともう少し!
焼山寺直前の最後のつづら折りの坂を上る。
見えたー…!
と思い真っすぐ走っていったら裏口でした。
無駄に上っちゃったよ…。
少し引き返して、焼山寺への参道に到着!
ほんとに自転車で辿り着けたーー…!
写真を撮る以外は足を地面に着けることなく、上りきることができました!
この荷物+リュック+ヒップバッグで上りきれた自分を褒めてあげたい。
さすがに限界だったので、ジュースを買って自分へのご褒美。
足元がすぐ崖みたいになってるところに座って景色を眺めながら、ちょっと休憩しました。
去年からこの日のために坂を上り続けていたので、無事に達成できて凄く感慨深かったです。やっぱり「六甲山を自転車で上れれば、どこにでもいける」っていうのは間違っていなかった。
すげえぜ六甲山!
休憩して身体が落ち着いてきたので、焼山寺へ向かう。
十二番札所 焼山寺
さすが山深いところにあるお寺だけあって、いままでのお寺とは雰囲気が違う。
大きな木がたくさんあります。
水場に「アヒル隊長」がいた。
この木の大きさ、写真で伝わるかなー…本当に立派です。
本堂と太子堂で納経し
無事に焼山寺の御朱印をゲット!
上りが辛かった分、帰りはパラダイス。
焼山寺までの道はちゃんと舗装されていて比較的綺麗なので、安心して坂も下れました。
気持ちよかった。
さて次の十三番までは結構離れていて、大体23kmぐらい走らなきゃいけません。
遠い…!
頑張るぞーと走っていたんですが、山があるからには峠がある。
そう、峠越えがあるのです…。
それほど勾配はキツくない緩めの坂なのですが、焼山寺を上るのに全てを使い果たしてしまったのか、坂を上る力がなかなか出ない…!
というかエネルギー切れだこれ…と分かり、いっぱい持ってきていた飴をたくさん舐める。
こんなんじゃ失ったカロリーを全然補えないけども!
実は峠を越える手前に道の駅があったんですが、そこで何か食べておけばよかったと後悔!
お腹が減っていなかったのでスルーしちゃったんですが失敗でした。とりあえず「飴と塩タブレット」でなんとかカロリー補給と気分転換を図りながら進む。
徳島市内まであと少しってところで、まさかの迂回指示…!
エネルギーが本当に切れかかっているので、これ以上迂回で坂を上るとか無理なんですけどー!
ほんとに行けないの…?とトンネルを覗いてみる。
あれ?工事してなくない?
普通に通れてしまった。
なんだったんだ一体…と思いつつも、無事に通れたのでよし!
トンネルを抜けたらずーっと下り坂でした。助かる。
十三番札所 大日寺
そんなこんなで十三番に到着。
山門の前が道路になっていて結構交通量が多かったです。
山門をくぐり
お参り。
無事に御朱印もいただけました。
なんとかエネルギーを補給しなきゃと思うのですが、食べるところがない…!コンビニもない!
次へのお寺は近いんですが、その通りに食べ物屋さんがあったらすぐに飛び込もうと心に誓う。
この三択の道路。
看板がないと絶対間違える…。
十四番の直前の坂がすごくキツかった。
荷物満載の自転車じゃ転けそうだったので、降りて自転車を押しました。
十四番札所 常楽寺
そして十四番に到着。
境内が岩でごつごつしていて、なんだか凄かった。
御朱印をいただく。
境内に人懐こそうな猫が居て、呼びかけると「ニャー」と鳴きながら撫でさせてくれた。
いい子だ。
十五番札所 国分寺
道中の写真を撮る必要もないほど、あっという間に十五番に到着。
十五番の本堂は工事中みたいで、仮の本堂がありました。
納経所にご住職さんっぽい方がいて「自転車で周られているんですか?」「連休中は自転車で周られている方も結構来られてました」などなどと話しかけていただける。
気さくでお人のよさそうなご住職さんだった。
それにしても食べるところが何もない!
田んぼの真ん中に吉野家の牛丼屋が建ってたりしないものか…もうお腹のすき具合が限界すぎる。
十六番札所 観音寺
食べるところが全く見つからないまま、十六番に到着。
時刻は14時ぐらい。正直お腹が減りすぎてヘロヘロだった。
お腹が空きすぎて、あまり記憶のないまま御朱印帳の写真を撮っていると「お経お上手ですねー」「若い方はお経を唱える人も少ないのにご立派ですね」とお遍路さんに声をかけていただける。
たぶん40代っぽい歩きお遍路さんだった。僕と同じように初めてのお遍路みたいで「11番から12番の徒歩お遍路がやっぱり大変だった」とか、「歩きお遍路の道が表示されないからGoogleマップは役に立たない、やっぱりお遍路さん専用の紙の地図が役に立つ」とか、「ここまでコンビニも食べるところもないから本当に辛かった」などなど同じお遍路さん同士で盛り上がる。
キリのいいところで、お別れ。
次の十七番が今日予定している最後のお寺になるんだけど、頼むからその前にお昼ご飯を…!と祈りながら走っていると
救世主が現れる。もちろん入る!
チキンカツカレーとツナサラダを頼んだんですけど、ツナサラダをひとくち口に含んだ瞬間、めちゃくちゃお腹が減っていたことに気が付く。
当たり前なんだけどお腹が減りすぎて頭も身体もおかしくなっていたのかもしれない。カレーを食べてやっと落ち着きました。
ただ、お腹が満たされても何だか体がだるい。
旅の疲れが溜まってきているのかなー
十七番札所 井戸寺
そんなこんなで、今日最後のお寺に到着!
こじんまりとしているけど、綺麗なお寺だった。
本堂でお参りをしようとしていると「お兄ちゃん!暑かったやろ、どっち飲む?」と本堂の売店?の係をしているぽいおばさまに声をかけていただける。
なんとお接待で缶コーヒーをいただいてしまった!ありがたい…。
感謝を伝え、お経を唱えていると「兄ちゃん、兄ちゃん」と、またさっきのおばさまに声をかけていただける。
「これツマミにしーな」と、あられまで頂いてしまう!
神かな…?
ありがたすぎるなー…と思いながら太子堂でもお参り。
太子堂のお賽銭箱にドナルドがいたけど、大丈夫なのかなこれは…。
そして今日最後の御朱印をいただく。
時刻は15時半。今日は早くに終わった!
予定している宿へと向かう。
もうね。体に疲労が溜まっているのがわかる!
慣れない旅に最初は身体がついていかないだろうなーと、こうなることも予想していたので
明日は走行距離をめちゃくちゃ短くして「調整日&休息日」に設定しておいたのは、ほんとに正解でした。
ゲオがあるのは都会。田舎の町にはゲオのニセモノしかないんだ。
宿に到着
今日のお宿はマイスイートホーム「快活CLUB」です。
なんとか荷物もぜんぶ持ち込めた。
ドリンクとソフトクリーム祭りの始まり。
おしまい
そんなこんなで3日目が終わりました。
今日の山場は間違いなく焼山寺だったんですが、そのあとのことを全く考えていませんでした。焼山寺で燃え尽きすぎてからの峠越えが本当に力が出なくてビックリ。やっぱり坂はカロリーを相当消費しちゃいますねー…
坂がキツいところを走る予定の日には、ちゃんとした補給食も用意しておかなきゃいけないなーと思いました。飴だけは、めちゃくちゃいっぱい持ってきてるんだけどなー…
明日は走る距離も短いし、今日は大好きな快活CLUBで過ごすことができるので、ゆっくりと疲れを抜きたいなーと思います。
それにしても日焼けがひどい!アームガードしているのに手の甲が真っ赤になって、ひじの皮も剥けてしまいました。日差しがキツいのかなー…
使ったお金
- 納経料:1,800円
- 食費:1,968円
- 宿泊費:2,700円
- 【合計】6,468円